商品に有機栽培と表示するためには有機JAS認証を取得することが義務づけられています。

基礎知識: 有機栽培とは
有機農産物とは化学合成の農薬・肥料・土壌改良剤などを使用せず有機的な手法で栽培された農産物のこと。商品に有機栽培と表示するためには認証機関による[有機JAS認証]を取得することが義務づけられています。以下の条件を満たすものでなければなりません。
1.農場は最低3年以上農薬を使っていない
2.有機肥料であっても化学薬品や重金属が含まれないものを使用する
3.栽培によって環境を破壊しない
4.労働条件を厳守している
5.環境・衛生管理の整備
6.上記に関する管理プログラムの制定とその実施
7.上記に付帯する全ての事項に対する第三認証機関による検査と認証

有機認証茶の生産量
当会の茶園は全て有機認証を取得しています。
有機認証茶は国内生産量のわずか1.81%。ほとんどの日本のお茶栽培には農薬や化学肥料が使用されているのが現状です。

有機認証を取得していなくても農薬や化学肥料を使用しない栽培に取り組む茶農家もいますがその数は不明。なぜ取得しないのかというと、有機認証の制度や内容への疑問や不満もあげられますが一番には認証料の負担が大きいことでしょう。特に個人の茶農家にとっては大きな負担となっています。




食べ物において安心安全はあたりまえのことです。安心して飲めるお茶を安全な栽培方法で作る。その上で香り、風味を作り上げる、おいしさを追求する。これが当会の農業に対する姿勢です。そして自然のサイクルを大事に考えていますから有機認証で許容されている農薬も一切使用していません。有機JAS認証以上の安全な栽培への取り組みは、生態系を崩さない農業への姿勢を貫くものです。



当会では「有機栽培でなければ本当のお茶の旨味は作りだせない。」と考えています。有機でおいしいお茶を作ることは難しく簡単にはいきません。お茶は育てたものを収穫する普通の作物と違い、これから伸びて木になる前の芽を収穫してしまいます。ですからお茶は育てる部分は葉ではない。良い芽を出すための木であり根を育てるのがお茶栽培です。そこに他の作物とは一線を画す有機茶栽培の難しさがあります。有機茶づくりは単に農薬を使わず化学肥料を有機肥料に変えれば良いというものではありません。一般のお茶栽培とは全く異なる栽培の考え方が必要です。



有機栽培と慣行栽培(農薬や化学肥料を使用する一般の栽培)には味覚のベースに決定的な違いがあります。言葉での説明は難しいのですが半年〜1年間、有機栽培のお茶を飲み続けるとその違いがわかるようになります。そうなると皆さん「慣行栽培のお茶には戻れない」とおっしゃいます。また「有機栽培のお茶はおかわりがすすむ。」とよく言われます。体がすんなり受け入れるおいしさが有機栽培のお茶の特徴と言えます。



有機栽培は手間がかかります。よく「苦労されている点は?何が大変ですか?」と質問されます。「好きでやっている有機栽培ですから苦にならない。」というのが答えです。手間をかけなければいいものは作ることができないのは全てに共通することではないでしょうか。作業としてひとつ大変なことをあげるとしたら夏場の草刈りです。除草剤も使いませんから雑草は草刈り機で刈ります。茶の木の中に生えてしまった草はもぐって手で抜きます。その他にも大変な手間がかかりますが有機茶づくりは好きだからこそ取り組める茶づくりです。



有機茶栽培の技術向上のためには、1)茶の生態を学ぶ、2)土壌分析データをもとにした数値での検証、3)土壌改良、4)施肥設計、などに加え、技術向上の要となるのが茶園同士の情報交換です。茶園同士が協力しあい情報交換することは、自分の茶園にあった栽培形態を確立していく大きな参考になります。当会は20年前から有機栽培に取り組む茶園主が集まり勉強会を行って参りました。これは日本の有機農業シーンにおいても初めての同一作物の技術勉強会です。日本の有機農業の歴史を担う会として有機茶栽培技術には高い定評をいただいております。



現在では全国の有機茶園にも呼び掛け勉強会の和を広げています。私たちの勉強会は日本のお茶を安全でおいしいものへとリードしていく大きな力になるであろうと期待されるとともに、安全な栽培を志す茶園同士のネットワークづくりにも取り組みその輪を広げています。日本のお茶が安全な栽培に向かうことを願ってやみません。